男女関係の議論における英語圏TikTokのススメ

近年、以下のような経験をした人はいるだろうか。

  • SNSやニュースで女性/男性を敵視する発言や見下す発言を目にしてしんどい
  • 異性と本気で向き合って対話を試みたが、真剣に取り合ってもらえず精神消耗した
  • TikTokを使ってみたことはあるが、日本のコミュニティは自分と合わなかった
  • 男性に対するトラウマや不信があるが的確に言語化できない

そんな人にオススメしたいのがTikTok英語圏コミュニティである。

昨今、日本で結婚をする人が減少していると言われているが、先進国では同じくその傾向が強まっている。TikTok英語圏コミュニティでは、男女関係における問題提起や議論を行う動画が共感を呼び、男女関係における問題が世界共通であることが判明し盛り上がっている次第だ。

最近ではぶつかりおじさんや食い尽くし系のように、SNSの普及によって「女性から見える世界」が可視化されつつある。TikTokでは、見知らぬ男性に絡まれてトラブルに巻き込まれたシーンや、夫婦やカップル間のリアルな状況がいくつも残されるようになった。それらの動画はインターネットに投稿されるやいなや、「私も同じことを経験したことがあります」と国境を越えた共感の連鎖が発生した。それと同時に男女のすれ違いがなぜ起きるのか的確に言語化する人が参戦しはじめ、自分の感情の整理や相手の思考回路の理解を深める一種のコミュニティが出来上がっているというわけだ。

発信者は女性のみならず、既婚/独身男性、加害をしていた元当事者もおり、無視されやすい女性の主張を男性陣も主張してくれることで多くの支持を得ている。(日本同様、女性軽視した発言をするユーザーも存在するが、その意見を引用して議論をする流れがあるため、悪質な動画やコメントが放置されるコミュニティと比べて自浄作用がある。)

これらの議論は英語でやり取りされているが、現在TikTokには「自動字幕起こし」機能があり、自動で日本語字幕が表示されるため、英語が分からなくてもそれなりに追うことが可能だ。コメントも長押しすると翻訳する機能が現れる。(ウェブ版には翻訳機能がないかもしれないので、アプリでの視聴をオススメする)

このコミュニティが国籍関わらず有益だと感じたため、最近目にしたオススメな動画を紹介する。動画を見るのが面倒な人向けに意訳を動画下部に記載している。

注:語ったら長くなってしまったので、コンテンツだけ見たい人は飛ばし読み推奨。この記事では傾向に応じて男性・女性と明記することがあるが、どんな事象も性別問わず発生する点は脳内補足して読んでいただきたい。

まずはライトなコンテンツから。

◆カジュアル編

Red Flag Guy 🚩 (Dustin Poynter) フォロワー200万人

危険な人を検知したら赤旗をふってお知らせしてくれるジェントルマン。赤旗ニキ。

Red flagは直訳すると「危険信号」。「その人の発言はred flagだよ」と言われたら、その人が危険な人物である可能性が高いことを示しており、その人から立ち去るべきといったニュアンスを含むことがある。相手との縁を切る判断に用いられるサイン。その「赤い旗」を動画のために自作し、危険信号を体現する形でTikTok民に共有する。

@dustinpoynter should i bring this red flag series over to tik tok? been doing it mostly on other platforms but thinking of changing that. sound off 🚩 👇🏻 #redflag #redflags #sideeye #viral #trending #foryou ♬ original sound - Dustin Poynter

ーRed Flag集 3800万再生 600万いいね
1:赤ちゃんの性別が発表された瞬間、アイスピックのような道具でそこら中の家具をぶっ刺すなどして喜びを表現する夫、その様子を見てひいてる妻
2:彼氏とその友人とでテニスしに来たけど遊ばせてくれず、ベンチで座りっぱなしの彼女
3:自分と同じ年齢の女には関心が向かない。年下の女性?最高!と茶化すマッチョ3人衆
4:なぜ男性は浮気してもよくて女性は浮気をしてはいけないかを解説する男性
5:女性が交際関係を運営しようと思ってるようだけど、女性は自由を奪われる立場じゃねーの?

このような動画に対し「奥さん!お嬢さん!これは危険信号です!」とフットクラップを繰り広げつつカメラに迫りより、冗談を交えながらその人がいかに危ないかを語り、大きな赤旗をふる。男性目線からも有害と認定してくれるのがこの動画の良いところだ。Red flagをある程度網羅しておくと、今後有害な男性と遭遇した時に危険信号を察知して冷静に判断をとれるため、red flagをたくさん知っておいて損はないだろう。

Lefrenchhusband 総いいね数100万

デートの秘訣を女性へ伝授するジェントルマン。男性のよくある発言を翻訳してくれる新鋭。

@lefrenchhusband If you need translation to understand what he says, here you go #frenchhusband #paris #frenchwayoflife #datingadvice #datingtips #lovers #love #luxury #hermes #chanel #beverlyhills #90210 #losangeles #next #french #fypシ ♬ original sound - Lefrenchhusband

「ごめん、仕事が忙しくて今メッセージ見た」
 =「仕事って便利な言い訳だよな~他にやることなくなったから連絡しただけです」

「元カノはヤバいやつだった/メンヘラだった」
 =「私は恋愛関係が上手くいかない際に自分の非の責任を取るつもりはありません」

「俺って複雑なんだよね」
 =「私は自分自身に取り組む気はありません」

最後に、「本当の贅沢は、翻訳を必要としない行動する人を見つけることです」と話しており、トップTierのアドバイスと評価されている。また、コメント欄を見ると「元カノがヤバかった」発言は世界中から見ても「走って逃げるべきレベルの地雷」と認識されていることが分かる。

他にも、男性の見切りをつけるタイミングを提示し、別れを後押ししてくれる動画も投稿している。私はこの動画をきっかけに彼を知ったのでnextニキと呼んでいた。

@lefrenchhusband Well, I guess it means don’t settle and don’t hesitate to say next. #frenchhusband #paris #frenchwayoflife #datingadvice #datingtips #lovers #love #findlove #findlove #frenchlovers #luxury #hermes #chanel #beverlyhills #next #90210 #losangeles #fypシ ♬ original sound - Lefrenchhusband

「元カノの話ばかりする人、次~🤗

メッセージの返信が遅すぎる人、次~🤗

今は仕事に集中してるんだ、って言う人、次~🤗

夜のデートの服装に気を使わない人はあなたに対する敬意にかけている、次~🤗

真面目な話し合いを最後まで避ける人、次~🤗

家に無事に帰れたか確認しない人はまるで、まともなグラスに注がていれないワインみたいだ、次~🤗」ー120万回再生、13万いいね

概要欄には「その場に落ち着かず、次に進むことを躊躇わないのが大事なんじゃないかな」と記載。レディたちが不幸に居座ることのないように助言を発信してくれている。

◆男性編

TherapyJeff フォロワー280万人

交際関係の議論界隈における有名人。伝えたいことを一括にまとめる達人。

この人のように認可されたセラピストが自身の営業も兼ねてTikTokを利用する人は少なくない。がしかし、言っていることがただただ正論かつ、日本のユーザーのような営業臭のある動画が少ないので個人的に気になりはしない。良質なコンテンツを量産するJeffだが、リズムの良いコンテンツを発信してくれることから、2022年に二次創作がバズったことがある。誰かがレミックス曲を作成し、その曲に賛同したユーザーたちが曲に合わせて踊り、コミュニティが大いに盛り上がった。

@candymoore.mp3 #duet with @TherapyJeff should me & @TherapyJeff release a therapy dance banger 👀 #therapyjeff #remix ♬ original sound - Candy Moore
「リピートアフターミー。
 交際関係において私はこれらの特徴に当てはまる人と二度と一緒に過ごしません。
 🎵曖昧なメッセージ、暴力的な態度、心理的虐待、無関心、率直でない、不誠実、敬意がない、冷たい、受動的攻撃行動、私の要求を満たすことにキ・キ・興味がない、嘘で繋ぎとめる、全ての精神的労働を一方的に背負う、いつも私から親密な関係を持ちかける、私に対して迷いがある、無責任、傾聴力に欠ける、感情的知性がない、価値観の大きな相違、優先度が低い、私の夢を応援しない人、私と一緒に成長しない人、私が一緒にいて楽しいと思わない人🎵」ーリミックス版:100万回再生、16万いいね

ノリノリなコメント欄

交際開始後、恋人がこれらの特徴に当てはまり絶望に陥った経験がある人は多いのではないだろうか。ここで紹介した特徴が一つでも当てはまるとその他の特徴も当てはまる傾向があり、下手すれば9割当てはまることも珍しくないだろう。人と交際するための知識を持ち合わせていないどころか、このような最低限の意識を培うための努力を自らしてこなかったのに「恋人がほしい」と宣う人が真剣交際界隈に多く存在する脅威が、近年の婚姻率の低迷に拍車をかけている原因の一つに感じる。 個人的にはネタ枠としてでもいいから、ロリ神と同じくらい軽率な感じで次世代にバズってほしいジャンルである。

もう一つ動画を紹介する。

@therapyjeff If I tell you that you hurt my feelings… #therapytiktok #mentalhealth #relationshiptips #dating #datingadvice #feelings #emotions ♬ original sound - TherapyJeff

「もし私が『あなたの言動で傷ついた』と伝えた時、自己保身に走ったりイライラする必要はありません。私が感情を感じ取ったことに対して怒ったり不快になる必要はありません。あなたが私の感情を傷つけていないと説得する必要はありません。それは助けになりません。それに、ちょっと心理的虐待っぽさを感じます。あなたが意図していなかったとしても、傷ついたかどうかは私が判断するのです。私のこと敏感と呼ぶ必要もなければ、求めすぎと言われる筋合いもないし、私の感情があなたにとって重荷だと伝えなくて結構です。私の感情を放棄しなくていいし、私の感情に反対しなくていいのです。私の感情を否定することや、本来あなたはこう感じるべきだ』と伝えることは一生しなくて結構です。私は感情を正しく感じ取っています。この感情は確かです。私の感情から逃避しなくていいし、無視もしなくて結構です。それは私の気分を悪化させるだけです。
笑ったり、からかったり、真似をしたり、いじるのは絶対だめ。それは大きなred flag(危険信号)であり、関係を決裂させるでしょう。『私の感情の話』をしている最中に『あなたの感情の話』はしなくて結構です。もちろんあなたの感情に興味があるし重要だから後に必ず聞くと約束しますが、私の話をしているのですから、今は私の方の話に集中しましょう。私の気をそらす必要もないし、どうすれば気が晴れるかアドバイスしたり、解決策を考えなくて結構です。ちなみに言っておきますが、私の感情自体は『間違い』ではありません。感情とは感じ取った事実であり、『嘘』は存在しません。
私が『あなたの言動で傷ついた』と伝えた時は、議題を勝手に決めず、まずは会話に参加し、好奇心を持って話を聞き、愛を持って、私の体験に共感してください。」ー470万回再生、57万いいね

当たり前のことを言っているだけなのに名言に感じるのはなぜだろうか。それだけ多くの人が共感せずに反射的に感情を否定して問題を放置する人の犠牲になっているからだ。問題が未解決になるような相手は価値観の相違以前の問題で、自分と対話レベルがかけはなれている(あるいはトボけるために意図的に対話レベルをズラしている)から話が平行線を辿る。そして残念なことに、上記を理解して実践できる男性は想像を絶するほど少ない。もしこれと同等の話を伝えて素直に納得して改心する人がいれば相当ラッキーで、そもそもこういう人はパートナーの感情が正当であろうと理屈をこねくり回して無効と認定し、なおかつ手放さないためにあらゆる洗脳手段を使ってくる。

相手に寄り添って話を聞くことは基礎知識だと思って過ごしていたが、結婚を前提とした交際だったにもかかわらずこの件に関して無知な20-30代に何度も遭遇したことがあり、周りからは数えきれないほど耳にしたことがある。意図的かどうかは人によるが、本気で交際している無知な人までマインドコントロールの手段を使っているのである。真剣交際を目的とする界隈は大前提としてこの文章を理解し共感する人のみ参戦すべきだが、勉強不足な人や、人をコントロールして利益をむさぼる界隈は「自分にも参加する自由があるから文句を言われる筋合いはない」と主張し、不幸の連鎖が止まないのが実情だ。(なぜこんなことが発生するかを理解するためにはmale ego、male fragility、toxic masculinityなどについて知っておく必要があるが、想像以上に記事が長くなってしまったため割愛する。)

Alex 総合いいね数60万

優しい声が特徴的な心理療法士/カウンセラー。動画やコメントを引用し「おやまあ、どこから話を始めたらよいだろうか」という語りで動画が始まる。男女の心理を解説する。

@lex_therapy #stitch with @GEN Womens safety #men #women #dating #safety #foryou #foryoupage #relationship #relationships #misogyny ♬ original sound - Alex

引用された動画:
インタビューされた女性「あなたが私を攻撃する可能性はあります」
男性「でもそれって全ての男性を悪だと仮定してませんか?」

「おやまあ、どこから話を始めたらよいだろうか。彼女や多くの女性が持つ主張としては、男性が『俺は危険に見える?攻撃すると思う?』と聞いたところで、女性は知りようがないのです。残念ながらこの時代は全ての男性が安全であると仮定して女性が世の中を歩くことはできないのです。彼女らはできるだけ安全を確保するために最悪の事態に備えていますが、それでもまだ警戒が足りないことがあります。インタビューされた女性はこのように言及しました、『私がインタビューであなたの気に入らないことを言ってしまったとして、インタビューが終わった後に私を追いかけて攻撃することは可能性としてはあり得ることだ。』危害を加えない男性が理解するのは難しいかもしれませんが、これは実際に起きる可能性があることで、なんなら頻繁に起こります。あなたはこの問題とは無関係と思っているかもしれませんが、女性が何度も経験している実情を理解することで解決の一端を担うことが重要なのです

Croydonの件*1も正確な情報は分かりませんが、話によれば女性が拒絶したことが関わっており、口論に発展し、それが最終的に彼女の死に繋がりました。これは女性の安全が脅かされることなく男性を拒否することができない現状の一例です。何が最悪かというと、ニュースに対するコメントです。『おとなしく花を貰えば何も起きなかったんじゃん』『公の場で女性から拒絶されることがどれだけ傷つくか分かってるのか』『花を貰ってデートに付き合って感謝すべきだった』『彼女は敬意を払って”女性らしく”あるべきだった』これらのコメントは全て、彼らが実際にどれほど女性が嫌いであるか、女性たちが普段どのような危機的状況に置かれているのか無知で無関心であることを示しています

最終的にこの世界で女性が安全を感じるために何をすればいいのか分かりませんが、分かっていることといえば、それは私たち『男性』から始めなければならないということです。」ー68万再生、8万いいね

芸人が知らない女性に警戒されて腹が立って仕返ししようしたことを話のネタにしていたが、これは「女性から見える世界」の理解のなさとmale entitlement(「女性より優位である男性様の気分を害したら仕返しをする権利がある」と思い込む感覚)の両方をとても良く表している。投稿者が述べたように、理解のある男性が今以上に発言・発信して、男性も当事者であることと、女性に非がないことが常識になるまで世間に浸透させていくことがこれから重要になってくると感じる。今回紹介した動画以外にも「なぜ男性はお茶や食事をおごっただけで女性に見返りを求め、断ると逆上するのか」といったテーマについても語っており、論争を見かけるたびにモヤっとする人にオススメだ。

Professor Neil 総合いいね数1800万

男性に対する議論を見かけた際に"not all men(全ての男性がそういうわけじゃない)"と感じた男性はいるだろうか。そんな方にオススメの動画がこちら。

@professorneil Just a few things to be mindful of #masculinity #healthymasculinity #positivemasculinity ♬ original sound - Professor Neil

相談者の男性(20歳)「自分はフェミニストであると自認しています。趣味も女性寄りだからか、女性が本音で発言できる場に自分もいることがあります。その時に、女性が男性のことをどう思っているのか(悪評)を耳にすると心苦しくなります。ほとんどの男性がそうであることは理解していても、『でも全ての男性がそういうわけじゃないって!』と叫びたくなりますフェミニズムを利用した男性嫌悪的発言を聞くと感情的に反応してしまいます。女性嫌悪をこじらせた男性と比べれば、男性嫌悪をこじらせた女性は比べ物にならないくらいマシだと分かっていますが…感情をコントロールするのに苦労しています。女性に対する共感や理解が大事だと認識していますが、実践するのが難しいです。良い方法はありますか?」
相談を受けた男性「この相談者が感じることは、珍しいことではありません。似た経験をしている人に参考になるかもしれない点を5つ紹介します。
1、余程な理由がなければ、女性は男性のことを嫌ったり恐れたりしていません。女性は生まれた時は男性を嫌悪していません。長い生涯において確たる経験と根拠を沢山見つけたが故にこの結論に達したのです。
2、女性が男性について話していて「僕はそんなことしないぞ」と感じたら、それはあなたの話ではありません。
3、「僕はそんなことしない」と感じても、それが事実かどうかは、あなたの根拠をたくさん得て信用を獲得しなければ女性にとっては知りようがありません。女性は身を守るために”この人は危険かもしれない運転”をすることを強いられた世界で生きています。だから私たち男性が、自分が信用に足ると女性に証明することを毎日努めなければなりません
4、たとえ私たちが悪いヤツ、性差別主義者、ミソジニストでなくとも、彼らを直すのは私たちの務めです。なぜなら私たち男性は家父長制や男性の特権による利益を被る側の立場だからです。この凄まじい権力をどうにかしなくてはなりません。私は、女性の話を聞かない男性に話を届けることができる立場だと知っています。そのような男性から実際メッセージが届くわけですから。そしてその人と話すのが私の役目であり仕事です。
5、私たち男性は、男性特有の特権こそが私たちを脆くさせたと自覚する必要があります。『男性は皆こうだ』と言われると耐えがたいのは、それはこれまで男性の抑圧に対して私たちが回復力、持久力、頑丈さを培わなかったからです。少なくとも日常的に抑圧を受けている女性やノンバイナリーの方と比べたらね。male fragility(男性の脆さ)を改善するには、このような議論を重ねることで筋肉のように鍛えていく他ありません
追加で6、常に初心に返りましょう。我々男性は、女性が経験してきたレベルの抑圧を経験したことがありませんし、これからも経験することはないでしょう。私たちはこれからも学んでいきます。」ー50万回再生、8万いいね

このようなディスカッションを日々実施する男性や、このレベルの議論を感情的にならずに交わせる男性が日本にどれくらいいるかが問題であり、課題であると感じる。女性は男性と衝突した時、反応を見てその人の脆さや女性への無理解度を悟って教育を強いられることがしばしば起きるが、交際を始める前にあらかじめ自身で改善を済ます必要があるのではないだろうか。女性の偏った負担は家事育児にのみならず、成人男性の教育も含むことはあまり言及されない。

Robbie Harvey フォロワー320万人

元自己愛性パーソナリティ障害の当事者。克服以降、自己愛性パーソナリティ障害の人が実際どのような間違った認識をしていたかを発信した。現在は女性が被害に遭っている動画や体験談を共有することで、男性が今まで目にすることがなかった「女性から見える世界」を発信している。たまに炎上して批判をくらっていることもあるが、TikTokの議論界隈を語るにおいて外せない人である。

@therobbieharvey A boy vs. a man. #relationship #relationships #couple #couples #couplegoals #marriage #marriedlife #foryou ♬ Boy vs Man - Robbie Harvey

「『男の子』と『大人の男性』の違いは何か。大人の男性は曖昧な態度で遊ばず、女性に心を開き、自身の弱い部分も開示する。男の子は強い男のフリをして、自分自身を満足させることにしか関心がない。大人の男性は、幸せや喜びに満ちた女性と人生を共有することを望む。男の子は、失望や悲しみに満ちた年月を女性に提供し、時間を無駄にする。大人の男性は達成したことに自信を持つのではなく、自分がどんな人であるかに自信を持っている。男の子は自信を持っておらず、他の人の成功を恐れている。大人の男性はあなたのことを愛したい。彼は分かっている、この関係を次のステージに進ませてくれるような何かを、あなたが奥底に秘めていることを。男の子は…あなたを目の保養くらいにしか思ってない。

それでは自分に聞いてみてください。あなたは男の子ですか。それとも『本物』の男性ですか。」ー100万回再生、11万いいね

パートナーを雑に扱ってフラれた人のうち、「失望や悲しみに満ちた時間を長期間提供し、相手の時間を無駄にしてしまった」と自省できた人がどれくらいいるだろうか。懺悔をしたエピソードより「なんでフラれたか分からない」「まだ俺のこと好きなんじゃね?」といった話を聞くことが多く、海外でもあるあるなホラー話として認識されている。

Ryan 総いいね数2500万

男女関係にまつわる「感情」について穏やかなトーンで言語化する男性。男性から理解を得づらい女性側の意見を上手に言語化してくれる。ちなみにすきっ歯は海外の一部コミュニティにおいてセクシーとされる。

@ryans_truth_ #ryanstruth #relationship ♬ original sound - Ryan

「個人的な意見だけど、女性がストレスを感じるのは『必要とする回答を相手からもらってない状態のまま万策尽きた』と感じた時だ。女性を愛する方法は結構シンプルで、安心させる言動を提供する、愛されてると実感させる、そして安全さを感じさせることだ。それを行うための最も簡単な方法の一つは、ただ彼女の疑問に答えるだけだ。女性は物事に矛盾がある時に疑問が思い浮かぶ。その矛盾に対する答えを彼女自身で探す手段もあるが、人間だもの、悪い答えが思い浮かびがちだ。その代わりに、彼女が求めてることに対してあなたが有効な回答を提供することで、安心、安全、居心地の良さを提供するんだ。

だからもし彼女が「私のこと愛してる?」って聞いてきたら「だから今いんじゃん」とか「そりゃそうじゃん、なんでそんなことわざわざ聞くんだよ」なんて答えちゃダメ。なぜならば、その疑問が発生した時点で彼女は愛されたいと思っている(≒既に男性の言動に矛盾が起きてる)からだ。もしあなたが明確な回答を提供しなかった場合、分かる?彼女はもどかしく感じる。で、あなたが疑問に答えなかったから新たな疑問が彼女の中で生まれる。あなたが疑問に答えなかったことで、彼女にとっては安心も安全も感じられない関係になってしまったんだ。それで彼女は疑問が増える。増えた疑問について話すことに申し訳なさを感じると同時に、パートナーとして求められるものが提供されていないことにイラついているのだ。

で、ある時から彼女はあなたをイラつかせたくないから静かになる。パートナーに求める『安心』を得るための手段も彼女にはなくなった。パートナーなのにどうでもいいような扱いを受けているから、求めていることを提供しないから彼女は怒るんだ。知っておいてほしいのは、彼女は『あなたが提供できないものは、あなたから求めなくなる』ってことだ。あともう一つ。『彼女に離れられるのが嫌だからやる』というモチベで行動するのはやめておいた方がいい。正当な行為じゃないと思う。」ー500万回再生 40万いいね

この感覚はRyanを含む紳士淑女にとっては当たり前で、わざわざ言うまでもないレベルの知識だ。しかし「彼女が安心と感じる、愛されていると感じる」ことを重要視しない非ジェントルマンがそこら中にいるからこそ、このような当たり前な発言が絶賛されているのがなんとも皮肉な話である。

人は察せないと言われるように説明しないと伝わらないものだが、そもそも女性の説明を聞ける男性は少数派だ。意識していなくとも女性はうっすら見下されているため、女性がこのような説明をしようとしてもまず面倒がられて無視される。話を聞いてくれたところでモラハラ論破されて『間違った考え』と認定されてしまう。

そもそも、このような男性は「この関係において俺さえ満足であれば、彼女が悲しんでいたってどうでもいいし、彼女と真面目な話をするのは面倒。放置したら機嫌直らないかな」と、女性の気持ちは度外視+倫理感ゼロの思考のもと恋人探しをしており、女性が最も避けるべき地雷である。ここでも問題なのは、遊んでいる男性だけではなく真面目に恋愛をしようとしている男性の多くも共感性が欠けており、同じような意識を持っていることだ。

そこで、この投稿者のような女性の心理に理解がある男性がどんどん表に出ることで「これが男性のスタンダードである」と一般化させることができたら、女性は立ち去る判断を早められて、共感ができるようになった男性は交際関係が改善し、相手の気持ちに無関心なままの男性は焦り出し、意識の底上げができるのではないだろうか(よくて100年後くらいに)。

多くの女性が非紳士的な男性にとどまった経験がある理由として、本当の愛を理解して提供できる男性の数が女性と比べて圧倒的に少ないのと、警戒すべき点が多すぎて知識や経験が少ないと騙されやすいのと、前の恋人が更に酷くてまだマシな方だったからではと考える。多くの女性は相手に沿った愛を提供する努力、調査、相談、聞き出しをするため、交際を経験した男性は愛されていると実感したことがある確率が高い。一方で一部の男性は相手に沿った愛を提供する方法を自発的に調べたり聞き出すことが少ない。楽観的な思い込みで自分が考える愛を提供して自己満足で完結する傾向にあり、プレゼントも以前パートナーが「苦手」と話したことがあるものを買ってきて自爆する。悪質性が高いと、最終的に実現可能な答えを女性が直球で提供しても、理屈を並べてその愛の提供を拒否する。

根拠として、男性がパートナーに無関心な傾向にあることが分かる動画を共有する。

@soulstory_0 Idk how these guys dont know basic stuff 😂 #couples #relationships #fail #fypシ ♬ Monkeys Spinning Monkeys - Kevin MacLeod & Kevin The Monkey

インタビューされた男性はパートナーの以下のことを聞かれ、正解することができなかった。
 ・誕生月、誕生日
 ・瞳の色
 ・アレルギー
 ・好きな食べ物(パートナーはその食べ物のタトゥーを入れていた)
 ・兄弟、親、祖父母の名前(既婚。女性は男性側の名前を答えられた)

他にも子供に関するクイズに答えられない父親シリーズもある。父親は自分の家族である妻のことも子供のことも知らずに生きている。コメントは「笑えない」「悲しい」で溢れている。

Ace Metaphor フォロワー140万人

交際にまつわるアドバイスを発信しており、主にtoxic men(有害な男性)に向けて発信している。努力もせず責任も取らず甘い汁だけ吸いたい非ジェントルマンの有害さを言語化し批判する。まくし立てる熱いトークが必見。

@acemetaphor When toxic men say “be my peace” 🙄 #acemetaphor #dating #datingadvice #relationship #relationshipadvice ♬ original sound - Ace Metaphor

「有害な男性は『平和でいてくれる女性がほしい😭』と言うが、違うでしょう。あなたは、あなたが彼女の人生をめちゃくちゃにすることに疑問を感じない女性がほしいのです。悪夢を運んでくる男性に対して、彼女がどうやって平和を提供することができるというのでしょうか。『平和が阻害されてる~😭』って、そりゃそうだ。浮気するからだ、寄り添わないからだ、彼女の感情を認めないからだ。『平和でいてくれる女性がほしい』ではなく『自己主張をしない女性がほしい』『俺の言動を非難しないでほしい』と言いたいのでしょう。クズな言動をとっていなければ、平和ですよ。そもそもあなたの方が平和をもたらしていれば、『平和でいてほしい』と乞う必要もないのです。『平和でいてほしい~』とせがむ素敵なジェントルマン、聞いたことないでしょう?恋人に無礼なオトコだけですよ、『平和でいてくれる女性がほしい~😭』と叫ぶのは。」ー550万回再生、約100万いいね

女性を見下している男性は女性の話を聞き入れない傾向があるので、男性がこのような発信を対男性にしてくれることが何よりも心強い。なんと視聴した約5人に1人がいいねしている。女性は正論を嫌うという話があるが、このような本当の正論を話してくれる男性はめちゃくちゃモテる。理想の男性像である。

◆あるある編

男性の反応シリーズ
@thesupremekaiya Somebody @ the dream guy #relationships #relationship #relatable #relate #women #girls #girlthings #relationshipdynamics #attachmentstyle #therapy #therapytiktok #therapytok #dating #datingadvice #datingstorytime #datinglife #datingadviceformen #boyfriend #boyfriends #skit #skittok #men #emotional #emotions #boundaries #boundarysetting #periods #period #girlproblems #girlproblem #relationshipproblems #relationshipproblem #communication #gaslighting #emotionalintelligence #selfawareness #periodpain #periodcramp ♬ Jazz masterpiece "As time goes by" covered by a Jazz violinist by profession(962408) - ricca

生理が始まった時の男性の反応。
◆感情に寄り添わない系男子
 女「生理始まった…」
 男「で?…ああ、1週間大変だっていう言い訳が始まるんだ。ってかなんで未だに女性って許されているの?」
 女「許されるって何が…?」
 男「生理のせいにして頭おかしい人のフリをしても許されるじゃん。もし俺が今週大変だったらどうすんの?生理が来たってだけで扱い変えてくれるなんて期待すんじゃねーぞ」
◆解決系男子
 女「生理始まった…」
 男「薬飲めば?」
 女「飲んだよ…」
 男「ああそう、ならお茶でも飲めば?」
 女「作ってもらうことってできるかな…?」
 男「立ち上がってお茶を作ればいいだけじゃん」
 女「分かった…」
◆精神的に未熟系男子
 女「生理始まった…」
 男「そうなんだ、放置した方がいい?」
 女「え、そんなことはないよ…なんでそう思ったの?」
 男「だってめっちゃ感情的になるし…(気持ち悪そうなものを見るような目)」
 女「放置することが解決なの…?」
 男「その口振りだとそうじゃないみたい?で、何すればいいの?」
◆俺も系男子
 女「生理始まった…」
 男「痛い?」
 女「めっちゃ…」
 男「俺もー、仕事で背中がやばいんだよね。マッサージしてあげるから俺にもマッサージしてくんない?」
 女「うーん、ちょっとそれは…」
 男「ダブスタ発生してない?お前も生理始まったけど、俺も色々大変なんだよ」
 女「それは理解できるけど、生理一日目で…」
 男「ああ、俺だって仕事でキツい一日だったさ。マッサージしてくれるならしてやるよ」
◆理想の男性
 女「生理始まった…」
 男「おう。君が好きって言っていたお菓子買っといたよ。お茶とお菓子置いとくからソファにお座り。これから仕事だけど、終わったらすぐに帰ってマッサージするから」
 女「ほんと…?」
 男「当たり前じゃん。生理初日でしょ?」ー240万回再生、45万いいね

まともな男性がこれを見たら信じられないのか、それとも予想の範囲内なのか気になるところだが、女性にとってはこの地獄は万国共通で「あるある」だった。理想の例とまではいかなくとも、せめて悪例に該当しない最低限の男性と出会いたいだけなのに、知る限りほとんどが悪例通りかそれ以下だ。他にも「女性が泣いた時の男性の反応」「女性が奢ると提案した時の男性の反応」「境界線*2に反応する男性」「男性の謝り方」と沢山のシリーズが出ている。単純に悪い例と良い例を学びたい人にも必見だ。

マッチングアプリシリーズ

マッチングアプリでマッチした時のやり取りのあるあるをコントで再現している。

@ashahotcakes men are on dating apps so they can find someone to talk about themselves to #dating #datingapps #relationship #men #women ♬ original sound - ❤️‍🔥 asha ❤️‍🔥

マッチ後、メッセージにて探求心を持って相手に話をふる。相手は満足げに自分語りをする。話を深堀りするとまた自分語り。自分に話を振ってくる気配はない。会話のきっかけとして自分のことを話してみる。深掘りされない。反応が薄い。
 「…」
 「…」
 「あなたの話は沢山聞けたけど、私の話があまりできてないかも」
 「あはは、ごめん笑 最近どう?」
ブロック😑😑😑!!!
(特別出演:ぬこ)ー130万回再生、18万いいね

アプリ経験者なら何度も経験したであろうあるあるが大共感で100万再生。
「このコントは大げさじゃない、マジでほんとにこれ」32Kいいね
「文末に”あなたは?”と書けばいいだけなのにそれすらできない」9817いいね
「この事象が世界共通なことに安心した」7860いいね
「で、”お茶しない?”って連絡がくるんでしょ?」 571いいね
 ⇒次の動画で「お茶しない?」のコント動画がアップロードされる

TikTokやっててよかったなと思う瞬間の一つは、こうしたエピソードを分かち合える時だ。女性側が積極的に会話するだけで「俺の事が好きなんだ」と勘違いする男性が一定数いて(経験済)、安心して努力をしなくなり(経験済)、交際を断ると罵倒してきたりストーカーなどのトラブルに発展することがあり(経験済)、殺される事件も実際あるため、序盤において女性が多少受け身なのは仕方ないように思う。

しかし、日本で一般的に有料会員である男性が先にいいねしてきたのにもかかわらず、話を積極的に振らない。注力するほどの関心がないと判断したならブロックするなり返信をやめるなりすればいいのに、その決断力と行動力を女性である相手に委ね、時間を無駄にする。

その一方で、好意があるのに話を振らない男性も外せない話題である。最低限まともにメッセージができた男性といざ通話をしてみると自分語りばかりでコミュニケーションが取れないことが多々ある。なのに「今日のお話楽しかったのでお食事どうですか」と誘ってくる。相手が上手く会話を回したから楽しく自分語りできただけで、相手の話を聞けたか、相手を楽しませられたかという視点がない男性が想像以上にいる。「私はお話合わないなと感じたのですみません~!」と断ると「え!なんでですか!?」と驚かれたり「お前が通話誘ってきたくせに何様?」とキレてきて瞬時に地雷の答え合わせをすることとなる。

コミュニケーションの労力がどちらか一方に偏っていると、不幸な関係が爆誕する傾向にある。そのため「努力しても不幸になるならパートナーいらね」と思う女性が増加傾向にあるのが理解できるし、やたらと受け身な女性が存在するのも理解できる(先に女性が努力してしまうと、多くの男性は好意があると勘違いしたり、受け身で楽な立場に居座って努力しなくなるため)。

◆調査、研究、ニュース紹介

Heathen Queen 総合いいね数470万

以下のような画像を目にしたことがあるだろうか。

https://twicolle-plus.com/articles/832325

海外でも同じように「8割の女性がトップ20%の男性を追い求めている」と論じる男性が出現する。それをデータで反論する女性の動画が投稿された。

@queenoftheheathens Take 3. No 80% of women aren’t pursuing 20% of men #foryou #foryoupage #men #women #relationships #dating #misogyny #data ♬ original sound - Heathen Queen

ー97万回再生、13万いいね

紹介しているデータ*3を簡潔にまとめると、
 ・異性の写真を見て魅力度を0-5で評価してもらった(5を最も魅力的とする)。魅力度ごとに送ったメッセージ件数の割合を算出した
 ・女性が送ったメッセージ件数のうち、約6割は魅力度上位6割の男性に送った。女性の方が異性の魅力を厳しく評価するが、メッセージを送る比率は健全であり、外見がドタイプでなくともメッセージ次第で検討の余地に入れることが窺えた
 ・男性が送ったメッセージ件数のうち、約6割は魅力度上位3割の女性に送った
 ・魅力度を0や1と評価された男性に、女性が送ったメッセージ件数の割合は35%
 ・魅力度を0や1と評価された女性に、男性が送ったメッセージ件数の割合は5%
 ・男性の方がタイプではない異性を相手にしないかつ、より魅力的な異性を追い求める傾向にある
この結果をもとに、動画の女性は「8割の女性がトップ20%の男性を追い求めている」が非モテ男性の主観であり、正確でないことを主張している。男性より女性の方が魅力度の低い異性に連絡する事実を踏まえると、男性にメッセージが届かないことは女性に非はなく、他の原因があることが窺える。

YourTango 総合いいね数600万

人間関係に役に立つストーリーを紹介している。

@yourtango A teenager found out who really fills his mom’s stocking each Christmas - and it left him heartbroken #christmas #santa #stockings #stockingstuffers #momsoftiktok #parents #teenager ♬ original sound - YourTango

14歳の少年が気付いたことを紹介している。
「母親のクリスマス用の靴下に母親自身がプレゼントを入れていることを知った。サンタはさておき、父親のことは信じていた。父親ならこのくらい簡単な配慮はできると思っていた。でも彼はできないんだ。母親は自分のことを自分でやるんだ」
「この世代は”理解”ができる。私の息子もそう。」(3万いいね)とコメントがあるように、若い世代は上の世代と比べて、女性に対する鈍感さや無関心さが低下していることが窺える。なお、元動画は630万回再生、70万いいねを超えている。
JustinOnTikT0k フォロワー120万人

議論が巻き起こりそうなニュースをピックアップして紹介する人。気になる研究結果*4を紹介してくれたのでここでも紹介。

@justinontikt0k This is a very disturbing article. #News #SA #MEN #KIDS #CHILDREN #STUDY #ARTICLE #RESEARCH ♬ original sound - JustinOnTikT0k

1:スコットランドエディンバラ大学が行った研究結果で、4500人の男性(イギリス、オーストラリア、アメリカ人)を調査したところ、
 ・5%以上の男性が「秘密が100%保障されるなら、10-14才の子供に性的虐待を行う」にはいと答えた
 ・15%の男性が「秘密が100%保障されるなら、子供への性的な接触を検討する」にはいと答えた
2:同大学がイギリス人男性1500人に調査したところ、
 ・10%の男性が「インターネットもしくはリアルで子供に性的加害を加えたことがある」にはいと答えた
 ・上記の男性を除いた上で、5%の男性が未成年の子供との接触するため行動したことがある」にはいと答えたー200万回再生、28万いいね
(意訳のため正確な情報は記事参照)

「知ってた。経験したから。」(3万いいね)コメントにと書かれているように、「危険な思想を持った大人が世にはびこっていることを理解している女性は多い。しかし国際子ども虐待防止学会(ISPCAN)によると女子は4人に1人、男子は5人に1人性的虐待を受けたことがあると推定しているため、男性にとっても他人事ではない数値となっている。投稿者は「子供は(油断しがちな)男性に見させておかない方がいい、そして周りの男性にも気をつけろ、事件は知り合いや親族で発生しがちだから」と述べた。

◆バズり編

本格的にTikTokの活動をしていない人でも投稿がバズることがある。

育児をしない父
@ansa_____ #stitch with @MAMA :) They act like they dob’t live their, too 😑 #manbaby #kingbaby #breakuptiktok #breakup #dating #relationship ♬ original sound - Ansa Edim
引用動画は最近炎上したもので、洗面所にいる妊娠中の妻に対して旦那が遠くから声をかけている様子が映っている。
「ねえ!」
「なにー?」
「赤ちゃんがうんちしたー!」
「あっそう!!!」
「僕にオムツ変えてほしい?」
「そりゃそうに決まってんじゃん💢」
その動画に関連したエピソードを女性が語る。話の内容をまとめると、夫婦で購入した物件に住んでおり、ある日キッチンの修理屋さんが来た際、旦那に「修理屋さんが来たよー!」と呼ばれた。私は2階で重要なミーティングに参加している一方で、旦那は玄関に近い1階でゲームをしていたのに、だ。彼は別れが”突如”おとずれたことにびっくりしたそうだ。ー230万回再生、20万いいね

このような「別れを告げられてびっくりする」エピソードはごまんとあるのに、なぜ自分は大丈夫だと思い込み安心してしまうのか。引用された動画には「私たちのハードルは既に地の底まで落ちているのに、彼らはまだそのハードルを下げろと主張する厚かましさを持ち備えている(5万いいね)」といったコメントが投稿されており、まさに現在の男女情勢を表している一言だと感じた。

彼氏に求めすぎてないか心配で
@andrealynnwrites #therapy #dating #relationship #fyp #relationships #selflove #selfcare #recovery #sa #survivor #foryou #youdeservebetter #feminist #womenempowerment #feminism #foryoupage #growth #healthy ♬ original sound - Andrea Lynn

患者「彼氏に求めすぎてないか心配で…」
セラピスト「どうして心配だと思うの?」
患者「ただ愛情、承認、受け入れてくれること、自立性、信頼、共感、少しの優先度、繋がり、たまに一人になる時間がほしくて…」
セラピスト「それって全人類に必要な、大人で健全な関係における当然の要求なんやけど…」ー120万回再生、16万いいね

最近興味深いと感じたのが、「最低限を満たす男性がいない」と憂う女性と、「女性は異性に対するハードルが高い」と喚く男性の構図も万国共通だったことだ。世界中の女性が最低限の愛情を求めては却下され、代々心理的虐待を受けてきた。虐待を受けるくらいなら当然独身を選ぶため、最低限を満たす男性が増加する世代が到来するまで婚姻率は改善しないのではないだろうか。

男性はバカじゃない

性被害にまつわる話。(閲覧注意)

@treblerae TW: SA #allmen #traumatok ♬ original sound - trebleRae

「『男性はバカじゃない』という意見に関連するエピソートがあるんだけど、(恋人から性被害を受けた詳細を語り)最後、彼に『寄り添いあってただけでしょ?』と言われたんだ。その体験を形容するのは未だに心苦しいけれど、あれは100%性加害でありレ○プだった。しかもそれは私が『性加害とはなにか』を恋人に説明した一週間後の出来事だった。にもかかわらず、このようなことが起きてしまうんだ。だから、男性はバカじゃない。私たちはこれから男性のバカなフリを許容するのをやめなければならない。彼は何をしたか分かっていた。理解するのはとてもしんどいことだけど、私のことが嫌いだったんだろうなと。嫌いだからそんなことができた。同じような経験をした人が沢山いることでしょう、言語化できなかったでしょう、そもそも起きたことが間違いだと気づかなかった人もいたでしょう。だってこのようなことが問題ないんだと、私たちの社会に深く根付いているのだから。この話を親族に話せるようになるまでに2日かかった。そして、親族にこう返された。『私だったら誰にも打ち明けられなかっただろう』と。」ー20万再生、3.6万いいね

「その場で拒否すればよかったじゃん」といった極論は、今年のジャニーズ問題によって打ち砕かれたであろう。性暴力は性別や年齢関係なく言語化できず、何十年経っても打ち明けられない人も存在する。そして打ち明けたところでなあなあにされ、警察は取り合ってくれない。アメリカでは夫婦間の性暴力は1993年まで犯罪ではなかったように、芸能界どころか社会がそれを「問題なし」としてきたのだ*5。これまでの世代で黙認されていたセクハラがようやく問題になったように、恋人間の性暴力も問題であるという社会を作らなければならないのだ。性的同意アプリは最終形態ではない、閉鎖的な空間における性被害を止める第一歩だ。雰囲気やノリや私利私欲に乗じて性暴力を振るう人がいなければこんなアプリは必要ないのだ。なんらかの手段が必要になるほど被害が日常的に発生している実態を「女性から見えた世界」を知らない人は知らないのであろう。

◆余談

男性がまともな女性を探して成就するまでに必要な努力をする難易度と比べて、相手を文字通り大切にして愛す能力がある男性を探す難易度の方が遥かに高いことは「女性から見える世界」を知っていれば当然のことだ。前者が容易である理由は、もし女性が男性に入れ替わった場合、身だしなみに関しては幸か不幸かルッキズムにより既に鍛えられており、女性を大切にする方法も傷つけられてきた分理解しているから。後者が難しい理由は、おびただしい数の男性が私利私欲のために、嘘を並べてまで傷つけても構わない女性と付き合うから。悪人は若い人を狙っているからこそ、イージーモードと言われがちな20代女性でも最低限を満たす健全な男性が見つかりづらく、悪い人にひっかかって騙されてしまうのが現状だ。もし最低限に満たない人にチャンスを与えずにスルーし続けた場合、交際経験がない女性の数は増すと考える。実際に身だしなみが素敵なアラサーも交際経験がないことをTikTokで証言しており、コメントにも多く散見される。

女性視点では、女性を不幸にする頂き男子が頂き女子の比にならないほど市場に存在すると例えたら伝わるだろうか。なのに日本では「自動販売機から男を選べる女はいいよな、男は砂漠で水を求めて歩いてる状態だよ」といった話題が「女性から見える世界」に無知な男性間で盛り上がってしまう。種類は選べるかもしれないが、ほとんどが毒水であることに無知な男性は関心がない。無知な男性もたとえ水に飢えてても毒は避けたいだろうに、毒(不幸な交際)をのめるだけマシじゃん、といった支離滅裂な主張を訴え続ける。ほとんどの人はそこまで高級な水を望んでいない。細かく言えば高級とは、高収入に限らず精神的に成熟している人を指す人もいる。「完璧でなくとも最低限飲める水を探しているだけだが、どれが水かは飲んでみないと分からない。これまでに何回も毒に当たってきて、毒を薄めようと知恵を集めて試行錯誤したけどダメで体調を崩した。そもそも毒を薄める責任は私にはないのにな。また自浄作用のない毒をのむくらいなら自動販売機で水は買わないでおこう」が現在の婚姻率の減少の経緯の一つだ。

現在の日本では男女にまつわる建設的な議論をする人が男性間と男女間で特に少ないと感じる。それは男性が女性に無関心であり、女性も「女性はこうでなければならない」と思い込んでしまう社会的背景があるからだ。女性を嫌悪してしまった人の思考は、女性の手で元通りにすることはほぼ不可能である。しかし男性の手ならどうだろうか。それがダメなら次世代は。「女性から見える世界」を次世代に共有することで、無知の数を減らすことはこれからできるだろう。関心を持つ人々が増えれば議論が進み、知識を有した男女が増える。それでようやく被害を受ける数が一段と減るだろう。

だから一人でも多くの人に、このコミュニティを知ってほしいのである。

 

最低限のハードルの話に戻る。ハードルが男性目線で引き上げられたと感じるのは-100点から0点に上げられただけのことであって、男性の立場を有利にする特権と言う名の下駄を履かせてもえる社会が終わりつつあるだけのことである。こちらのニュース記事*6には半世紀前のアメリカ人女性が持てなかった権利について紹介されている。その中に「結婚してようやく許可がおりる」ものがいくつかあるのだ。大学に行く権利も19世紀あたりまでなく、女性が稼ぎ頭になることもも一般的ではなかった。メリット云々どころか女性は結婚しないと生き残りづらい仕組みだった。故にハードルなんて言っている場合ではない時代だった。にもかかわらず、昔は現在のように比較的自由に離婚することができなかったのだ。アメリカでは暴力の証拠を必要とせずに離婚できるようになったのは最も早い州で1969年から。たったの50年前である。それまでは心理的虐待や家庭内暴力を泣く泣く我慢してきた人々、耐えかねて自殺した女性、そして許されてきた男性。離婚の仕組みが改善された州では、女性の自殺率は8-16%減少、夫婦間のDV率は男女ともにおよそ30%減少、夫による妻の殺害件数は10%減少したと研究で明らかとなった。*7

女性は目まぐるしいスピードで変化する社会の情勢になんとか適応する一方で、過去の名残を抱きかかえる男性。女性たちが耐えてきた抑圧や被害と比べれば、現代の女性が求めている最低限を満たすくらい簡単なことと分かるが、あえて満たさない人がいる。女性を見下し、雑に扱い、好き勝手できた過去の特権を手放したくない一部が、理屈をこねくり回してしがみついている。しかし最悪なニュースはこれではない。最悪なのは、その特権を振りかざしている人のうち、そもそも下駄を履かされていたことに未だに気づいていない人が想像以上に大勢いるという点だ。その人たちと女性は対話を繰り返したが、恋人という立場をもってしても、女性の手では変えることはできなかった。だから女性陣が変えたのは、付き合う基準。「最低限の人」がいないのならば、独身でいる。

独身女性を負け組とあざ笑う人がいるが、研究によると子なし独身女性がもっとも幸福を感じているグループで、既婚女性より寿命も長いとされている*8。もっとも、ハードルを大きく上回る素敵なパートナーと巡り合えたら異なる幸せの形はあるだろうが、これまでに紹介したような人と結婚したら不幸になるのは明らかなため、愛も協力する姿勢もないパートナーを徹底回避するのは自然な道理だ。結婚したことで楽になって寿命が延びるのは男性。独身男性は確かに寿命は短い傾向にあるが、言ってしまえばそれは女性の寿命を犠牲にしない本来の寿命であるのだ。独身を選ぶ男性が増えることは(女性に危害を加えない人であれば)決して悪いことではない。ただ「独身男性=不幸」という古き信念を信じてやまない、実情を知ることもなければ研究結果も読まない人々が自分の境遇を女性にも当てはめて「独身女性=不幸」とはき違えており、またもや「女性から見える世界」を認識できていないのである。(実際、今が一番ハッピーですという証言が独身/離婚済女性によって次々と表明されており、そのムーブメントが気に食わない一部男性がTikTokでも散見される)

交際を通じて女性が男性を教育し、女性に対する理解を得た夫婦は過去も今もあるだろう。しかし世界の半分の人間が日頃から抱えている負担や抑圧を大人になっても、ましてや異性と交際しても無関心であることがそもそも看過できない問題である。知るきっかけを与えられても反射的に拒む人が一定数存在する背景が、女性の交際離れをさらに促進させている。女性は無知な男性と交際する際に何かしらを教育して別れを告げ、また無知の人と出会って疲弊する。女性は先生でも母親でもない。少なくとも自分と同じくらいの精神的知性がある戦友を探しており、問題解決に非協力的で受け身なバイトは必要としていない。だからできれば自身で自発的に知識を手に入れた人を、最悪の場合は元カノに既に教育された人を求めるわけだ。

◆ネタ編

ScreamingAva フォロワー56万人

おしゃべりな犬。的を得た発言をすることに定評がある。恋愛に限らず様々なコンテンツを引用してコメントする。日常の動画もある。お鼻がピンクでかわいい。

@screamingava #stitch with @funtipsj8ef #screamingava #fyp #trending #dogsoftiktok ♬ original sound - ScreamingAva

「一年前、外食する際に全て上手くいくと夫は私に保証してくれました」と書かれたキャプションがついた動画には、3人の子供を抱えて食事する母、隣で一人でゆっくり食事をする父。
その動画を見て激高するAvaちゃん🐶

Avaちゃんにはファンが沢山おり、コメントは大体以下の通りだ。
「Avaちゃんほんまそれ」
「私が言いたいことを全部言ってくれた」
「圧倒的わかりみ」

ちなみに引用された動画のコメントは以下の通り。
「結婚している状態のシングルマザー」5万いいね
「4人の子供を抱えたシングルマザー」4万いいね


おわりに

英語圏は多様性の理解も進んでいるため、滞在するコミュニティを選べば、

独身女性いいね!離婚してパートナーから解放された人もいいね!二人とも幸せな夫婦もいいね!子なしもいいね!「ペットが我が子」派もいいね!独身男性も(ミソジニストでなければ)いいね!LGBTQもいいね!無神論者(キリスト教から脱した人)もいいね!

という感じで、イマドキな感性を持った人たちで溢れている。(逆に日本にそのようなコミュニティがあったら教えてください)

紹介した動画以外にも良い動画が語り切れないほどあるので、気になったユーザーを見つけたらぜひともフォローして過去のコンテンツを見てほしい。

TikTokでは男女関係における議論が今日も交わされている。日本もこの流れを追いかけて、良識のある社会を未来に残すべく、気づいた人たちから空気を変える当事者になれたらと願う。

TikTokに興味を持った方は

今ならTikTok Lite(広告がない版のTikTok)を以下のURLからインストールした上で条件を満たすと数千円もらえるらしい。

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お読みいただきありがとうございました。