言語がどれほど大事なものなのか分かってない

 

私の学校では、日本語を話すことが禁じられていた。

 

日本語を話したら罰せられた。先生に見つかったら「何故日本語を喋った」と叱られた。「日本語を話してごめんなさい」と謝らなければいけなかった。

 

母国語を話したら怒られる。それがどれほどつらいことか、教師たちは分かってくれなかった。どうしても耐えられなかったので、親に「日本語が話せる学校に行きたい」とお願いしたけど、許してくれたことは一度もなかった。

 

「学校で日本語を禁じられていた」という話をすると、「そのおかげで英語が喋れるようになったんだからいいじゃん」と見放されることがある。

じゃあ、「今からネット上の文章を英語に限定する。外国語を書いたものは罰する」と言われたら、何が読める?何が書ける?ニュースやブログ記事は全部英語。探したいことも全部英語で書かれている。難しい言葉もスラングも知らない。みんな何を言っているのか分からないので会話に入れない。日本語では言えるけど、英語でどう表せばいいか分からないからコメントできない。英語に存在しない言い回しは一切書けない。日本語ならではのネタや冗談も言えない。どんな理由であれ、日本語を書いたことが警察にバレたら問答無用で逮捕。私はこのような学校生活を15年間過ごした。

 

このようなことは珍しいことではなく、昔、日本も韓国人に日本語を話すことを強いたり、沖縄人やアイヌ、または地方に住んでいる人に標準語を強いたことがある。この時、生徒が方言を話したら方言札をかけ辱めた。アメリカやヨーロッパも、他の国々に自分の言葉を強いたことが多々あり、今でも言語に関する問題を抱えている国が存在する。

 

もちろん今は無料で簡単に英語をググれるけど、一昔はこんなに簡単じゃなかった。紙の辞書しかなかったこと、電子辞書に載ってる言葉が少なかったこと、小さい国の言語には辞書すらないこと。

 

私は幼稚園の時から外国人の教員らに日本語を禁んじられていたので、物心ついた時には既に外国人が嫌いで、英語が嫌いだった。当初は「外国人が嫌いって差別なのかな?」と悩んだが、今はちゃんと「区別」と認識している。いい外国人もいるけど、幼少期に焼きついた苦手意識が拭えないので仕方がない。

 

私は一生英語と関わりたくない願うほど英語が大嫌いになり、テレビから外国人が話す英語が聞こえると吐き気がするほど、生理的に受け付けなくなってしまっていた。でも幼稚園の頃から英語を聞いていたから、ある程度、耳や舌が英語を覚えてしまっていた。そんな自分が気持ち悪くて気持ち悪くて、殺したいほど自分が嫌いになった。 「英語上手だね」と褒められると、後で自分の頭をボコスカ殴る。英語を忘れられたらどれだけ幸せなことかと。そのくらい英語が嫌いだった。

 

だからできるだけ英語を使わなくてもいい仕事に就きたいと思った。でもそう言うと、「もったいない」と言われる。これだけ英語が苦手なのに。日本語を禁じられ、英語を強いられた時間の方がもったいないのに。

 

いろんな人と話してきたけど、母国語を禁止された人たちの存在を、苦しみを知っている人があまりにも少ない気がしたので書いてみた。

なんで未だにこの問題が世界ではびこっているのか、放置されているのか、私は疑問に思い、怒りを感じる。そしてこんな環境が日本でどれくらい存在するのか興味がある。

 

もちろん英語を知っていると便利だし、都合がいい。でも、日本には日本語という素晴らしい言語があるから、日本の全国民が英語を流暢に話せるようになる必要はない。英語が好きな人、本格的に習いたい人だけが習えばいい。

 

だから、もしあなたが子供を育てる機会があれば、お願いしたい。もしあなたの子供が英語に限らず、何かに対して激しく嫌がったら、どうかそれを強制しないでください。どんなに小さいことだと思えても、嫌なことを長期的に強いれば、子供は壊れます。