嵐の楽曲の日本語歌詞を抽出&分析③アルバム篇

 

choimemo.hateblo.jp

 

の続き。

ブログの記事の下書きを放置しておくのもなんだったので、未完成ですがこのまま上げます。

 

 

ふと、一体どのくらいの文字数を分析してるのだろうと思い、ワードで歌詞の文字数を数えてみました。

ローマ字の単語:約14,000個

日本語の文字数:約130,000文字

でした。まあ多い。

 

アルバム篇の前置き。

歌詞とはほとんど架空のお話ですし、作詞家もバラバラです。それを踏まえた上で、時代ごとに変わってゆく歌詞の傾向や数値を見て、それがどういった意味を持つのか妄想する記事になります。

アルバム内で全体的に使用された単語に注目することが目的ですが、一曲内で連呼した単語がランクインすることもたまにあるのでご注意ください。(多分見たら察します)アルバムに収録されたシングル曲も含まれています。

アルバム別・頻出単語ランキング (8回以上出現した単語を掲載)

ARASHI No.1

〜嵐は嵐を呼ぶ〜

HERE WE GO!How's it going?
抽出語 出現回数 抽出語 出現回数 抽出語 出現回数
61 36 40
42 12 39
知る 19 見る 11 15
野性 17 愛す 10 理由 15
11 自分 10 13
11 気持ち 9 逢う 10
明日 11 明日 9 変わる 10
触る 10 言葉 8 未来 10
10 行く 8 9
日本 10 8 気持ち 9
冒険 10 8 見る 9
10     上げる 9
9     想い 9
見える 9     抱きしめる 9
9     8
        行く 8

 

いざッ、NowOneARASHIC
抽出語 出現回数 抽出語 出現回数 抽出語 出現回数
27 58 74
24 47 24
24 17 15
12 12 今日 13
行く 10 明日 12 12
今日 10 気持ち 11 12
いつ 9 11 二人 12
9 信じる 10 12
言う 9 回る 9 11
信じる 9 9 11
伝える 9 行く 9 見る 10
未来 9 9 8
明日 9 9 忘れる 8
抱きしめる 8 8 未来 8
8 世界 8 8
    未来 8 8  

 

TimeDream "A" live僕の見ている風景
抽出語 出現回数 抽出語 出現回数 抽出語 出現回数
65 52 68
42 35 53
30 20 30
24 19 26
見る 15 16 20
13 いま 15 いつ 19
13 15 時間 15
13 未来 15 続く 15
12 14 明日 15
12 いつ 13 15
前進 12 言葉 13 14
信じる 11 明日 13 見る 14
11 探す 12 14
続く 11 12 13
届く 11 11 世界 13
二人 11 歌う 11 言葉 12
遠い 10 11 12
輝く 10 世界 11 探す 12
笑顔 10 10 11
忘れる 10 10 11
一つ 9 行く 10 消える 10
9 伝える 10 10
見える 9 忘れる 10 見える 9
自分 9 見る 9 見つめる 9
9 今日 9 8
笑う 9 信じる 9 感じる 8
明日 9 描く 9 季節 8
もう一度 8 いつか 8 記憶 8
季節 8 止める 8 言う 8
言う 8 持つ 8 今日 8
行く 8 答え 8 信じる 8
8 日々 8 8
知る 8 8 届く 8
    8 二人 8
        閉じる 8
        抱く 8
        忘れる 8
        揺れる 8

 

Beautiful WorldPopcornLOVE
抽出語 出現回数 抽出語 出現回数 抽出語 出現回数
63 73 40
60 24 19
いつ 23 19 18
23 16 踊る 15
感じる 22 いつ 15 14
明日 20 15 世界 14
17 13 行く 13
16 笑う 12 12
見る 16 知る 11 見る 11
思い 16 届く 11 言葉 10
16 10 知る 10
16 行く 9 9
強い 13 時間 9 叫ぶ 9
13 瞬間 9 9
変わる 13 信じる 9 9
13 9 思う 8
歩く 12 9 終わる 8
11 終わる 8 消える 8
言葉 11 笑顔 8 二人 8
言う 10 生きる 8    
生きる 10 続く 8    
奇跡 9 明日 8    
触れる 9 8    
知る 9        
届く 9        
ひとつ 8        
永遠 8        
越える 8        
共に 8        
8        
8        
8        
8        

 

THE DIGITALIAN
抽出語 出現回数
53
23
20
16
見る 15
世界 15
13
11
10
感じる 9
9
行く 9
未来 9
いま 8
終わる 8

 

個人的に気になった箇所を4つ述べたいと思います。

①「君」と「僕」

f:id:shueila:20151005064045p:plain

他グループにもある「君>>僕」の傾向は嵐にもありましたが、アルバム別にすると「How's it going?」と「Beautiful World」の「僕」は「君」の数値を上回っており、傾向から外れていることが分かります。一方、「君」は「いざッ、Now」を機に急上昇して以来比較的高い数値を維持していたところ、「LOVE」で急降下していることが印象的です。そして「僕」はPopcornで急降下してからしばらく横ばいです。

ここで 時が経つにつれ変わってゆく「僕」にご注目ください。

ARASHI No.1~嵐は嵐を呼ぶ~

・「僕は何も出来はしない 君の愛に」

・「君の願う未来ならば 僕の未来だろう」

・「泣きながら 生まれてきた僕たちは たぶんピンチに強い」

まだ後ろ向きだったり受動的だったり確信がない「僕」。

HERE WE GO!

・「君にとって欠点でも僕には愛しく思える事」

・「誰なのって訊けないまま 僕の恋はねじれてく」

・「僕らの前には星のFree Way」

「僕」がもっとも少ないアルバム。初々しい恋愛やディープな恋愛を演じる「僕」。

How's it going?

・「とまどいながら僕達は 不確かな道探して」

・「僕らはまだ さなぎのまま」

・「こんな僕でも君の役に立てるかい?」

 まだ成長している途中で、まだ自信がないような。迷いながらも歩きはじめた「僕」。

いざッ、Now

・「終わったはずの夢がまだ 僕らの背中に迫る」

・「僕に力を 今日全てを伝えるだけの力を」

・「それだけの勇気がない僕の 右手はポケットの中」

まだ「僕」が未熟であるかのような。後ろ髪を引かれている「僕」。

One

・「僕たちのリフレクション 未来とすれ違う今日」

・「僕の胸のなかに 芽生えた 名もなき 夢たち」

・「僕らは泣いて笑ってそれでも明日を夢見てしまう」

・「いつの日か僕のそばに君がいる」

未来、夢、明日を見始める「僕」。

ARASHIC

・「寂しいときはそう僕の手を掴みなよ」

・「僕が君を守る 誓おう」

自信が付きはじめ能動的になる「僕」。

Time

・「10年前夢見た 今の僕「10年後?わかんないや。。」って 今の僕」

・「僕らはきっと手を取り合うよ だからさ 大丈夫 信じて進むよ」

未来が心配ではあるけど前へと進む「僕」。

Dream "A" live

・「どんな未来が来ても どんなに離れていても 僕ら交わした声 消えない」

・「もし君が 道に迷った時は いつだって 僕がそばにいるから」

確実に自信を積み重ねていく「僕」。One「僕のそばに君がいる」から、ドリアラ「君が迷ったら僕がそばにいる」に変化。

僕の見ている風景

・「写真の中の無邪気な僕は 果たしてなんて言うんだろう」

・「あの日の僕たちは 素直になれなくて」

・「きっと現在(イマ)を信じつづけていればひとつだけ僕たちの道が始まるよ」

・「僕らいつもとなり歩いたこの場所信じた道 ただ 行こう!」

過去を振り返る余裕ができた「僕」。まだまだ前に進む。

Beautiful World

・「僕らは不可能を可能にするDreamer」「僕らは運命を切り開くBeliever」

・「あの日の僕らの声がする to the top 未来が動き出す」

・「僕らは迷わず。その蔓が伸びてく方に。ついていってみたら。辿り着いたんだ。」

「僕」が最多のアルバム。ここで「僕ら」が頂点に辿り着いたような。そう「僕ら」が確信したような。

ここから「僕」の出現回数が激減する。

 Popcorn

・「僕らはここから どこに行けるのだろう?」

・「僕ら一緒に越えて行けるよ」

・「彷徨う君に 永遠を感じてるんだ だから 僕は君のそばに」

・「君の正直な 気持ちをここまで 届けてよ 僕はココにいる」

LOVE

・「君らしさが 僕の希望」

・「僕らひとつになって どんな色に染まって溶けてゆくのだろう」

・「僕をここまで 連れてきたんだ この先だって ずっとそうだろう?」

・「回り回る中で ゆらり揺られながら 君と僕はそうやって ここにいるのさ」

THE DIGITALIAN

・「未来は目の前 僕らを希望で染めてゆくよ」

・「時代はどこまで 僕らを追いかけてくるだろう?」

・「確かなことがあれば 君がいるから ここに僕はいるよ」

 

時代も違えば作詞家も違い、歌詞選択も偏りがあるかもしれません。それでも15年の時を経て「僕」には十分大きな変化があったように思えます。自信を手に入れ頂点まで辿り着いた「僕」は、Beautiful~以降から「僕」に関して問うようになりました。

「僕らはここからどこに行けるのだろう?」 

「時代はどこまで 僕らを追いかけてくるだろう?」

 

「僕ら」だってどんな未来が来るか分からない。

それでも「僕ら」はこれからも自分たちを信じて進んでゆくのでしょう。

 

「無限の扉 開き 未開拓な道を 駆け抜けてゆけ」

「素人なりの我がこの飛行方法」

「行こうよ 見ようよ 地水平線の先のその先を」

「信じゆく 光る6の輪の向こう」

 

これからの「僕ら」と「君」がどんな道を歩むのか。

今から楽しみで仕方がありません。

 

(①「君」と「僕」おわり)

 

②「僕」と「僕ら」

f:id:shueila:20151005071148p:plain

グラフを見ると「僕」の最大値は「僕の見ている風景」にあります。まさにアルバム名に適った数値であります。そして「僕ら」の最大値は「Beautiful World」にあります。「Beautiful World」については後に③で説明します。ここで注目したいのは「僕」と「僕ら(僕たち/僕達)」の比率です。

f:id:shueila:20151005072219p:plain 

いざッ~Time期は圧倒的に僕>僕らでした。平均では1以下(僕≧僕ら)だった比率が「Dream "A" live」にて大幅に更新しました。そしてDream~以来、「僕ら」が「僕」を上回る頻度が高くなっています。「Beautiful World」で更に更新したやいなや、「THE DIGITALIAN」でなんと1.5を上回りました。

「僕」は嵐のメンバー個人、または聴き手を指す場合があります。一方、「僕ら」は嵐全員、また、嵐と聴き手を同時に指す場合があります。もしかしたらここ近年はその「僕ら」の需要が高まっているのかもしれません。

「僕ら」を使う傾向は作詞をするメンバーにも該当します。

例えば:

二宮作詞「どこにでもある唄。」

・「僕らはそんな弱くは無い」

・「大丈夫。僕らはずっとここにいるよ。」

・「“それが僕らだ”」

櫻井ラップ作詞「エナジーソング ~絶好調超!!!!~」

・「あなた方と私たちの証たちよ」(「僕ら」ならぬ「私たち」が素晴らしい。ちなみに「私たち」という歌詞はこの1つのみ。)

「あなた方と私たち」のように文面で「僕ら」が5人のことを指しているであろうと推測できる場合もありますが、「僕ら」が誰のことを指しているか明確にしない、聴き手によって捉え方が異なる歌詞もあるのが「僕ら」の魅力であり、「僕」や「君」の魅力でもあるのです。

 

③「Beautiful World」の歌詞の特有性

震災後にリリースされたアルバムだったので、今まで上位に入らなかったような単語がランクインしていたり、普段から使用されている単語もここでピークになっていることが多いです。上記の「僕ら」もその一つです。

アルバム別の頻出単語ランキングを見ても「Beautiful World」は他のランキングと雰囲気が異なるように感じます。そこで全アルバム中、Beautiful~で最も頻出した単語を集めてグラフ化してみました。 

f:id:shueila:20151005085107p:plain

ここではこれらの単語がBeautiful~でピークを迎えていることがなんとなく分かると思います。それを踏まえた上で下のグラフを見ます。

f:id:shueila:20151005084954p:plain

 明日、風、空、声、いつ(e.g.いつでも、いつまでも)、感じる、歩く、生きる。

 どれも他のアルバムでも頻繁に使用されていた単語ですが、こうして累計するとBeautiful~でこれらの単語が同時に集中的に使用されていたことが分かるかと思います。

 他にも、星、奇跡、場所、強い、永遠、確か、気付く、見る、触れる、変わる、伝わる、辿る、祈る、出逢う、越える、共に、などがBeautiful~でピークを迎えています。

 通常、一つのアルバムには十何人もの作詞家が携わっているので、一つの曲で特定の単語が連呼されていない限り、これらの単語が「Beautiful World」で集中的に使用されたのは偶然ではないと推測します。

 

④「胸」と「心」

 調べたところ、「胸」と「心」はそれぞれ意味の異なった慣用句に使用されることがあるそうですが、歌詞においては意味は大体同じと思ってもいいようです。違いがあまりないとはいえ、気になったことがあったのでグラフ化してみました。

f:id:shueila:20151005110802p:plain

 「胸」と「心」の出現回数は大体比例していたのですが、例外が3つありました。「胸」が多かった「Dream "A" live」と「THE DIGITALIAN」、そして「心」が圧倒的に多かった「LOVE」。その差なんと、14対1。そこで、これらの単語がどのように使われているのか比べてみました。

「LOVE」の「心」

・「震える心を強く抱き締めて」

・「心がまだ疼いてる」

・「溢れ出すまま心で叫べ」

・「君を探したまま 心まで叫び続けてる」

・「君が溢れてる 心満ちてく」

・「癒やしたくて そばにいるよ いつでも 心に」

・「何気なく笑い合えてる いつもと変わらない夕暮れも 二度とはない名場面だ 今は心から思うよ」

THE DIGITALIAN」や「Dream "A" live」の「胸」

・「胸を焦がした 相変わらず 夢を見てる」

・「胸が 痛むほど」

・「儚いほど 輝き増し 胸を締め付けるから」

・「時の奏でる音色信じてる 深く胸に響く」

・「VIVA青春 胸を張れ」

・「悔しさだって 胸に誓った」

・「ゆずれない思いだけ 胸に刻んで」

こうして見比べてみると、2つのアルバムで多用されている「胸」は必ずしも愛に関するフレーズとは限らないのですね。一方「LOVE」では文字通り「愛」に関連した用途で「心」が使われています。また、別のアルバムに「胸が叫ぶ」といったフレーズもあるのですが、「心が叫ぶ」の方がか弱く、小さく、柔らかく聞こえて、精神的な部分も含めて使用されているような印象に思えます。ほぼ同じ意味といわれても、よくよく考えてみると結構違うのですね。

 

以上、アルバム歌詞比較において個人的に気になった4点でした。

他にも注目すれば色々な発見があるはずです。ぜひ自分で見つけてみてください(投げた)

 

ついでにニノが作詞した楽曲の歌詞を抽出した記事↓

choimemo.hateblo.jp